過去ログ - 番外個体「――ただいま、帰ったよ」
1- 20
810: ◆3vMMlAilaQ[saga]
2011/03/05(土) 00:51:21.65 ID:kgKpUzPQo


久しぶりのそれらしい会話。
話している間は平常心を保つことができていたのに、一度冷静になってみると急に身体が熱くなってきた。
何より、彼の香りでいっぱいなこの部屋にいると頭がくらくらおかしくなってしまいそうだ。
自分は今、どんな顔をしているのだろう。赤くなっているに違いない。
そんなことを考えれば考えるほど一方通行を意識してしまって、一緒に居たいのに逃げ出してしまいたいというジレンマに陥る。
しかし、ここで逃げるわけにはいかないのだ。


「ねぇ、あなた」


番外個体はベッドに腰掛ける。
できるだけ自然に、いつも通りに。


「このミサカのこと、嫌になっちゃったのかにゃーん? ぎゃっは、今更そんな態度に表されても困るんですけど」


そう振る舞おうと努めたはずなのに、小さな声は掠れた上に震えたものになってしまった。
憎まれ口も勢いがなく、けれどこれが彼女にできる精一杯の虚勢。
そしてそれは、長くは持たなかった。
見せ掛けの強さは簡単に崩される。仮面を被る程度では隠しきれない。だから、弱さが明るみに出てしまう。

はぐらかしたりなどしない。できない。
口汚く嘲たりもしない。できない。
本音が露呈し、少女の想いが形を持って表れ始める。


「あァ? 何言ってンだ」

「ミ、ミサカはあなたのこと……そんなに嫌じゃ、ない。
 でもどうしても悪態ついちゃうし、揚げ足取っちゃうし、……最近は、それ以上にやな感じだったかもしれないけれど」




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/580.11 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice