過去ログ - 番外個体「――ただいま、帰ったよ」
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940:1 ◆3vMMlAilaQ[saga]
2011/03/18(金) 14:02:19.39 ID:SMLw9DYPo
それにすら、身体は反応する。
頭の中が、身体の芯が。熱く熱く、融解してしまいそうになる。
恥ずかしい筈なのに、止めて欲しかった筈なのに。
一方通行に意地悪をされていることに身体は悦んでいるようで。
胸の奥では今の状況に歓喜し、更なる刺激とサディスティックな彼を欲しているようで。
「一方通行、一方通行ぁ……っ」
ぎちぎちと彼の背中に爪を食い込ませたまま、うわごとのように求める。
「どォしてほしい?」
「わ、分かんない、よ」
ふるふると首を左右に降る番外個体は、とうとう泣き出してしまった。
ぐずぐず、えぐえぐと嗚咽が漏れる。
どうしてほしいかと聞かれても分からない。
ただただ一方通行が、彼そのものが、欲しくて欲しくて堪らないのだ。
それを彼女自身の口から言わせようとする一方通行の意地の悪さ、襲い掛かる刺激と欲求への困惑、僅かに残る理性が訴え掛けてくる羞恥。
全てがぐちゃぐちゃに溶け合い、錯乱し、番外個体の瞳を濡らす。
葛藤、迷い。
ほんの少しの理性――虚勢に似たそれと、どろどろに溶けきった自身がせめぎあう。
しかしそれも、長くは保たず。
「ひゃうっ」
不意打ちで耳たぶを甘噛みされ、ぴりぴりとした静電気みたいな感覚が身体中に走り回り、遂に。
決壊する。
「あ、あなたが欲しいっ! これだけじゃ、我慢できないんだよう!」
身体が火照り、瞼を固く閉じても、涙がぽろぽろと溢れてくる。
痴情に支配されているという自覚があるからこそ、沸き起こる羞恥に耐えることが難しい。
理性など、全て棄ててしまえば楽なのに。
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