過去ログ - 打ち止め「あなたのYシャツ貸して欲しいな!ってミサカはミサカは…」一方「あァ?」
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第十一話 『部屋と激突とミサカ』
[saga]
2011/01/04(火) 20:40:51.12 ID:Ja80mfo0
御坂妹は、早口でそれだけ言い残して敵が潜む大通りへと駆けて行った『姉』を今度は止める事が出来なかった。
超能力者の姉ですらあの集団に何らかの危険を感じている。
自分が付いて行った所で足手纏いにしかならない事が理解出来てしまった。
「お姉、さまぁ……!お姉様っ……!!」
自分には、膝を抱えて泣きながら姉を待つ事しか出来ない。
姉の無事を祈ることしか出来ない。
しかし、神は彼女を見捨てなかった。少なくとも御坂妹はその時確かにそう思った。
その一瞬、その僅かな時間の中に限って、そう信じてしまった。
ザリ、と埃や砂利で溢れた薄汚い路地裏の地面を踏みしめる音が聞こえた。
御坂妹は慌てて膝へと埋めていた顔を音の方向に振り向ける。
そして、彼女は見た。
上位個体の隣で6年前の8月31日以降ずっと『ミサカ達』を護り続けてくれた存在。
学園都市第3位を誇る姉を上回る実力を持つ数少ない相手。
「――――― 一方、通行?」
薄暗い夜の街で巡り合った見慣れた少年の口元が、静かに弧を描いた。
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