過去ログ - 打ち止め「あなたのYシャツ貸して欲しいな!ってミサカはミサカは…」一方「あァ?」
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第十三話 『部屋と戦闘とミサカ』 (中篇)
[saga]
2011/01/16(日) 22:10:40.04 ID:ZRuYJHxE0
甲高い金属音が響いた。
一秒にも短い時間が何年もの長い時間を刻んでいる様に感じる。
番外個体の手を離れた鉄釘が音速に程近い勢いを伴って03号へと射出される。
最大出力2億ボルトの電流を纏った鉄釘はビリビリと紫電を発しながら空気を貫き――――――
直後、あらゆる音が吹き飛ばされた。
小麦粉の粉塵が撒き散らされた半径30メートルもの空間そのものが巨大な爆弾と化し、
まるで空気中に気化したガソリンに火が着くように辺り一面を焼き尽くす。
空気中の酸素を燃料とした粉塵爆発が一瞬で周囲の酸素を奪い急激に気圧を下げた。
反射によって爆発自体のダメージは負わなかったものの、
この場は密閉空間ではなく外である為に真空状態になる事はないが急激な気圧の変化が03号の内蔵をギリギリと絞り上げ、
初めて感じた『苦痛』に彼の体から荒い息が洩れた。
ハア、ハア、……と呼吸を整える間もなく。
彼が先程の現象が『粉塵爆発』だったのだと理解しきる前に。
ドスドスドス!!!
彼の左腕を、肩を、脚を、電撃を纏った鉄釘が貫通する。
感じた事のない痛みが03号の中を駆け巡った。
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