167:泥源氏 ◆88arEec0.g[sage]
2010/12/19(日) 20:09:05.40 ID:1SFGj3oo
「そう、
――まだ私のDNAマップを使って、そんなくだらないことしてるって言うの……?
学園都市は、どこまで私を侮辱すれば、気が済むって言うのよっ!!」
御坂美琴は、怒りに震える。
彼女はDNAマップを提供したことを、妹達のためにも、後悔したくないのだ。
それでも、提供したせいで誰かを苦しめてしまうことになるならば、後悔せざるを得なくなる。
握ったこぶしが悲鳴を上げた。まだ悲劇は終わってないというのか―――
「お姉様」
「―――え?」
彼女が呼び声に顔を上げると、妹たちが穏やかな顔でこちらを見ていた。
そう、彼女たちは、心優しい姉に伝えたい言葉があったのだ。
「ミサカは、あの人に出会えた。あの人のことを愛することができた。
そして心優しい姉妹たちにも、出会えた。
理由はどうあれミサカは生まれてきて幸せだよ。―――ありがとう、お姉様」
「そうですね、ありがとうございます、お姉様、とミサカは感謝をなんとか言葉にします」
「お姉様ありがとう!
ってミサカはミサカは大好きなお姉様へ伝えきれない愛を伝えてみる!」
「……っ! あん、たたち」
様々な思惑によって、生み出された少女たち。
彼女たちは玩具のように、軽く扱われる命だった。
それでも、生まれてきて本当に良かったと、そう思ってくれている。
それは罪悪感をぬぐい去れない御坂美琴にとって、何よりも救いだったのだ。
―――涙が、出そうになる。
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