189:泥源氏 ◆88arEec0.g[sage]
2010/12/21(火) 00:15:51.38 ID:Pdlg7fko
呆然と、そんな気持ち悪い宇宙人の名前みたいなものを口走る彼だが、
確かに思い出していた。
そう、滝壺はドリアが食べたいと言っていたのだ。
何を血迷ったのか、見舞い品に困った浜面は、
苦し紛れに立ち寄った果物屋でドリアンの札を見て、即買いしていた。
彼にドリアなどというハイカラな食べものは、思いつかなかったのである。
「うん、大丈夫だよはまづら。うん、大丈夫……」
「無理にフォローしなくていいんだぜ……? ありがとな滝壺。俺超バカでごめん……」
そしてその臭いから看護師さんが駆け付ける事態となり、浜面は凹みつつも、
切り分けたドリアンを持って屋上まで逃げることにしたのであった。
「……あっ! そういえば、絹旗のお見舞い品渡してなかったな!」
「きぬはたの?」
「あ、あぁ――――これだ!!」
そう言って滝壺に渡すのは、A4ほどの雑誌らしき物が何冊か入った袋。
浜面としては、それによって上手くフォローしてくれることを心から望んだのだが――
「これ……たまごクラブに、ひよこクラブ? 底の方には……精力剤?」
「」
とうとう、浜面は病院の廊下に膝をついたのだった。
736Res/480.67 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。