190:泥源氏 ◆88arEec0.g[sage]
2010/12/21(火) 00:19:22.00 ID:Pdlg7fko
…………
滝壺に励まされ、なんとか浜面は立ち直り、二人はようやく屋上に辿り着いた。
そこは庭園となっており、周りは高いフェンスに囲まれているだけで
風をさえぎるものはなく、十二月の風はかなり冷たい。
寒いせいか、そこには誰もいないようだ。しかし二人が庭園の中心まで来てみると、
陰で見えなくなっていた場所に一つの人影があった。
「しょちとる、こんにちは」
「リコウか……むっ」
そこに車いすに乗っていたのは、影に溶けるような浅黒い肌に彫りの深い顔の少女だった。
彼女は滝壺と知り合いらしく気軽にあいさつしたものの、
浜面の姿を見て警戒心をあらわにする。
「お前、何者だ」
「えっと……こんにちは?」
「この人が前話したはまづらだよ」
それを聞いたショチトルは納得した様子だったが、すぐに怪訝そうな顔をする。
「こいつがハマヅラ……? この便所が似合う男が?」
「……いや、もう突っ込まないよ。俺の生業だもんな」
「しょちとる、それは失礼だよ。はまづらはこんなだけど、便所男じゃない」
「むっ……悪かった。
ただここで読んだ漫画の、便所でたむろするような連中とよく似た風貌だったからな」
「フォローにあまりなってないけどありがとう滝壺。
あと、確かに見た目不良の下っ端なのは認めるわ……」
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