209:泥源氏 ◆88arEec0.g[sage]
2010/12/23(木) 02:45:55.12 ID:Cq2hHDco
彼の顔が、絶望の色に染まる。
「ぎゃははははは! その顔が見たかったんだ!!
ああ、あなたのその顔を見るだけでイキそうだよぉ……」
目の前の女は、彼女がしないと思っていた、下品な顔と言葉をぶつけてくる。
そしてその眼に宿っているのは―――明確な、殺意。
想定していた。
第三次製造計画というものの存在を知ってから、彼はこの展開を予想していたのだ。
しかし、実際こうなるとどうすればいいのかわからない。
間違いなく、今の自分は身も心も無防備だ。
「逃げても駄目だよ。
ワザワザあなた一人のところをミサカは狙ってあげたのに、
それを裏切って逃げる気だったら、今度狙うのはあの人たちだからね」
彼の逃げようとしていた足が止まる。
彼女の言うとおり、この状況で狙われたのは、ある意味僥倖だったのだろう。
何といっても、守るべき者が後ろにいないのだ。
しかしいなくても、意識することが出来た。それにより彼の思考は回り始める。
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