216:泥源氏 ◆88arEec0.g[sage]
2010/12/23(木) 03:11:58.23 ID:Cq2hHDco
「――――はぁ?」
出てきた言葉は、あまりにも稚拙。
ヒーローに憧れる少年が、駄々をこねたようで。
彼女としては、あきれるしかなかった。
今の一方通行は、誰かを守るためにここにいるわけではない。
彼にとって、今ここで死ぬことに何のためらいもなかった。
だからこそ、彼が犠牲にした人々や上条当麻と交わした、原初の誓い。
彼の中にある、絶対なる信念。
――――其の想いだけが、彼を突き動かす。
「――――ハッ!」
「なっ……!?」
一つ大きく息を吸って、思いっきり笑い飛ばした彼は、
すでにいつもの不敵で自信にあふれたような笑顔を浮かべていた。
彼女にとって、それはあまりに予想外。
「ヒーローごっこ? 自己満足? 上等だコラァあ!!
オマエの真実が全てみてェにぬかしてンじゃねェっ!
罪だろォが何だろォが、アイツらのために俺が全部食らい尽くすンだ!
殺してみろよ、クソ野郎。死んでも屈服しねェ。最強は、譲らねェよ」
そう、彼は信じていた。
彼女たちの遺志を、彼女たちの想いを。
絶対能力進化計画の成功のために殉じた彼女たちの願いだけを、頑なに信じる。
それだけのために、彼は最強として笑ったのだ。
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