342:泥源氏 ◆88arEec0.g[sage]
2010/12/26(日) 23:33:44.09 ID:7IAx.f6o
「――あの、ね」
「ン?」
「この家に帰ってきてくれて、本当にありがとうね、
ってミサカはミサカは感謝してみる」
「……感謝されるいわれはねェよ」
「それでも!
……それでもミサカは凄く嬉しかったから、
ってミサカはミサカは正直に言ってみる。
あなたがいなければ、ミサカも存在出来ないから……」
それは一方通行も彼女に感じていた、依存の心。
なんのことはない、二人は両者で依存しあっていたのだ。
だが一方通行には、
打ち止めが自分に依存する気持ちが、わからなかった。
打ち止めは、何故自分のような死に損ないを求めてくれるのか――――
これは彼の最大の疑問であり、恐怖の原点だった。
(金、力、名誉、いずれも感じねェ。コイツは欲がねェのかよ)
彼は、理屈でしか好意を見ることが出来なかった。
そう、出来なかったのだ。
(違ェよな、全然違ェ。そンなもンじゃねェ。
なンとなくだけど、わかってきたンだ)
一方通行は、理屈じゃない愛を、
幸運にも三人もの女性に教えてもらうことができた。
とうとう、踏み出すべき時かもしれない。
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