345:泥源氏 ◆88arEec0.g[sage]
2010/12/26(日) 23:46:50.34 ID:7IAx.f6o
「へへぇ……一方通行だーいすき!」
「――――あァ、俺もだ」
「……今夜は一緒に寝よう? ってミサカはミサカは大胆発言」
「別にかまわねェよ」
「ふふっ」
「ククッ……そォいや、今日はクリスマスイブだなァ」
「へっ?」
時計を見ると、すでに短針は真上を過ぎていた。
――――もう、魔法は溶ける時間。
彼は、彼女の手をとる。
そこは魔法の介在しない、二人だけの世界だった。
「……昼間に備えて寝るか」
「うん!」
「家族会議で決まったンだが、オマエ芳川と宴の準備な」
「了解! ってミサカはミサカはいい返事」
「……ちゃンと見張っとけよ」
「……ははは」
彼は、思う。
この依存し合う関係は、脆く拙く幼いものかもしれない。
それでも、此処こそが自分の帰る場所なんだ、と。
手のひらの優しい温もりに、
希望が存在することを、
彼は確かに感じていた。
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