344:泥源氏 ◆88arEec0.g[sage]
2010/12/26(日) 23:42:33.47 ID:7IAx.f6o
二人で少しだけ笑いあうと、
打ち止めは一方通行の胸に背中を寄せた。
そこは、彼女の定位置。
これからも、ずっと。
「……ドキドキ言ってるね」
「……あァ」
彼女の背中に伝わる鼓動が、
彼が柄にもなく緊張していることを主張していた。
好意を向けることになれない彼にとって、
どれだけの勇気が必要だったのだろうか。
「……あのキスはね、ミサカの初めてだったんだよ、
ってミサカはミサカは貞淑宣言」
「そォか」
「誰にするのかも、決まってたんだよ、
ってミサカはミサカは一途をアピールしてみたり」
「……そォか」
ここで初めて、彼女は彼と向き合う。
――――その目は、涙に濡れていて。
一方通行の首に、打ち止めの腕が絡まり、
唇が、重なる。
これが、二度目のキス。
セカンドキスは、打ち止めから。
優しい、フェザーキスだった。
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