454:泥源氏 ◆a15dGnhq8NbI
2011/01/16(日) 20:52:22.54 ID:BkXnBeqvo
――――まさしく鉄製の矢は、墓標だったのか。
その数字は、一方通行に馴染み深い数字、彼の犯した罪を現していた。
偶然には出来すぎていて、作為には悪意がすぎる。
(断罪……これは俺への死刑宣告、か)
「どうしました? 一方通行さん」
「……いや、なンでもねェ。構わず続けろ」
一方的に突きつけられた殺意。
彼は受け止め取り乱すものの、
その目にあるものは諦観でも絶望でもなかった。
(なンとしてでも、殺されてやるわけにはいかねェな)
悪意は受け止めても、自分が壊れるわけにはいかない。
そうでなければ、悪意は行き場を失ってしまうから。
破滅が、訪れるだけだから。
これからの行動指針を決める他の三人の話を聴きながら、
一方通行は思いを馳せる。
自分にも、彼みたいに守ることが出来る、そう信じて。
来る困難の重さを確かめながら、彼はただ救う決意を固めていた。
736Res/480.67 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。