12:あはっぴぃにゅうにゃぁ2011![sage]
2011/01/05(水) 00:44:51.79 ID:1pR0LJ60
静かな病室。腕にチューブを繋ぎ、点滴を受けていた。
最初に尋ねた耳鼻科の先生が言っていた通り、入院治療になるようだ。
どうやら初期症状が重かったらしい。
山中先生には帰ってもらった。
一週間か二週間程の休みを貰う、ということと、軽音部皆への連絡をお願いして。
軽音部といえば……さっきの唯ちゃんとりっちゃんのやり取りが、未だ頭を離れずにいた。
それと、何故りっちゃんは、あそこまで冷静に行動が出来たんだろうか。
医師からの説明によれば症状の重さに合わせて、点滴を行う入院治療か、内服の通院治療をするかに分かれる。
およそ一週間から二週間で治癒、あるいはそれの兆しが見られるらしい。
原因に関しては、主にウィルス説や内耳循環の障害、ストレス説が上がっている。
その両方を見た治療法を続けていくようだ。
消灯時間になった。
自分でも、よくここまで冷静に話を聞けたものだ、と思っていたけど、いざ布団に潜るとどうしようもなく不安に駆られる。
消えた電気と聞こえの悪い耳。まるで世界が失われたかのように感じられた。
それは大袈裟な喩かもしれないけど、暗闇では五感の内二つが失われてしまう。
周囲の情報をここまで感じ取れないなんて思わなかった。
今までの、聾者に対する考えがどれだけ他人事だったかを、私は思い知ることになる。
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