6:あはっぴぃにゅうにゃぁ2011![sage]
2011/01/05(水) 00:25:43.64 ID:1pR0LJ60
「ムギ、喋れるか?」
「うん、なんとか……バケツ、あったら嬉しいけど」
「ある。出したくなったら言ってくれよ」
なんていうか……部長だ。
りっちゃんが本当に頼もしく思えてきた。
「ごめんね、りっちゃん……」
「なーに言ってんだ。それより、今どんな感じだ?」
しかしまるでりっちゃんは医者のようだ。さっきの素早い行動といい、この応答といい。
とはいえ、今の状況が何かおかしいことは分かっていた。
この強過ぎる眩暈と吐き気、そして両耳に起きている異常。
「眩暈が強い……あと、耳が聞こえない……」
「耳?」
眩暈のせいで顔を見ようとは出来ないが、りっちゃんの声が一気に強張った。
そして、立ち上がる気配と共に、指示を出す。
「すぐにムギを下まで連れて行くぞ」
「え、え?」
「早く」
りっちゃんの声が、いつもと違う。
その声に押されるように、体を二人に支えてもらいながら部室を出る。
私の左肩を支えてくれている唯ちゃんの体が震えているのがよく分かった。
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