172:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/01/29(土) 00:59:40.80 ID:XmzYscdqo
少女「わたしたちのオッドアイ。もっと正確にいえば左の赤い目。もうおわかりでしょうが、これが原因です」
青年「うん」
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2011/01/29(土) 01:00:22.12 ID:XmzYscdqo
少女「事は十年前にさかのぼります」
青年「……戦争」
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2011/01/29(土) 01:01:25.28 ID:XmzYscdqo
少女「……≪不信≫」
青年「え?」
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2011/01/29(土) 01:02:08.31 ID:XmzYscdqo
青年「何が平等だ……何が王都だ……僕たちの国はそんなひどいことを!」
少女「……。わたしたちはゆっくりと浸食されていきます。ゆっくり、ゆっくりと心を殺されるんです。心が死ねば身体もまた死にます」
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2011/01/29(土) 01:02:48.44 ID:XmzYscdqo
<湖>
青年「……」
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2011/01/29(土) 01:03:32.31 ID:XmzYscdqo
画材を用意し、キャンバスを広げて。
僕はゆっくりと筆を走らせた。
スランプが嘘のように筆はすらすらとキャンバスの上を滑った。
178:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/01/29(土) 01:04:25.46 ID:XmzYscdqo
少女「……」
青年「……」
179:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/01/29(土) 01:04:55.84 ID:XmzYscdqo
筆は、悲しいくらい順調に進んだ。
絵描きの音だけが静寂を満たしていた。
風は吹かない。水音はしない。
世界に二人だけ。そんな気分になった。
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2011/01/29(土) 01:05:23.41 ID:XmzYscdqo
少女「ああ……」
青年「うん……?」
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2011/01/29(土) 01:06:11.78 ID:XmzYscdqo
そう言うと、木にもたれて座ったまま、彼女はふんわりと笑った。
青ざめた顔に、それは輝いて見えた。
……そして、彼女はそれきり何も言わなくなった。
何も。何も。
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2011/01/29(土) 01:06:56.49 ID:XmzYscdqo
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