過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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148:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]
2010/03/29(月) 23:44:45.59 ID:GF31udMo

「それで、ヒナは花丸ハンバーグが好きになったのよ」

 小萌の顔を見上げて話し続ける雛苺は、幸いそう言った周りの視線に気がついていない。小萌に話をするのが楽しくて仕方ないと言った様子だ。まだそういうことに違和感を覚える歳ではないのだろう。

「そうですかー。それはおいしそうですねー。小萌先生も食べてみたいですよー」と、小萌。
 
 自分のことを一生懸命に話す雛苺に逐一返事をしながらも、彼女は小さな雛苺の様子をしっかりと見る。

 幼女にしてはそれなりに長い距離を歩いている。いまは雛苺に疲労の色はないが、相手は小学生未満である。いつ体調が変わるかわからない。

 そして何より、このくらいの年齢の子供は、周囲の雰囲気の影響をたやすく受けてしまう。気づいていないいまはいいが、彼女に向けられる雰囲気はあまりよいものではないのである。

 小萌としては目的地までバスなりなんなりを使いたいところなのだが、いかんせんその目的地がわからないのだから使いようがなかった。

 さらに彼女の懸念事項として、

(・・・困りましたねー。どうやってシスターちゃんたちに連絡しましょうか)

 近場に出てくるからと、携帯電話を持ってこなかったのは失敗だった。

 自分の家の電話番号がわからないわけがないが、科学万能のこの都市には公衆電話というのは極端に少ないのである。

(もしかしたら心配をかけてるかもしれません。シスターちゃんはともかく、姫神ちゃんは一緒に暮らしてましたし)

 この夏休み明けで学生寮の方に移ったが、姫神はしばらく小萌の家に居候をしていた過去がある。当然商店街に行って帰る所要時間も承知の上だ。

 ついでに好みの酒やタバコの銘柄も知っているはずなので、もし探しにきていて路地に置いてきた荷物を発見したとしたら、なにか事件に遭ったと考えるかもしれない。

 一度、なんとか連絡を入れるべきか。


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