過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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302:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]
2010/07/04(日) 23:25:22.52 ID:SO/OYW.o


 数時間後――――。

 白井と別れた美琴は、駅前のロータリーにいた。

 休日の駅前は、日が傾きかけても人の量は減りそうにない。

 ロータリーに設置されたベンチに腰掛けた美琴は、行き交う私服姿の学生たちを見るとはなしに眺めながら、

「……ごめんね、黒子」

 と、呟いた。

 気まずそうな表情のままで、足元の手提げバックを膝の上に移動させた。 はぁ、とため息をひとつ。それから、手提げバックのファスナーをあけた。

 そこから出てきたのは、ゲコ太関係のパンフレット――――などでは、なかった。

 出てきたのはノートパソコンである。

 A4サイズの、薄型のPC。長い駆動時間と高機能を兼ね備えた、学園都市市販品でも最新モデルだ。

 しかしそれは、既製品とはやや形状が異なっていた。

 美琴が自分のために手を加え、大出力の自分の能力でもトバないように設えた『超電磁砲』用の端末である。

「……」

 それを立ち上げ、キーボードの上に手を置く美琴。そのまま、目を閉じた。

 彼女の表情からは先ほどまでの罪悪感は消え、代わりに年齢らしからぬ、並々ならない決意が浮かび上がっている。

 美琴の両手から放射された電磁波がパソコンを直接操作し、この近辺のネットワークを補正する。その過程で、自らが発信元と特定されないように細工を施した。

 真っ黒のディスプレイに、高速で文字列が流れ始める。それはもはや人の目で追うことは叶わない速度であったが、もしもここに『守護神』と呼ばれるハッカーがいれば、何をしているのかは看破しただろう。



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