過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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323:上条と真紅 ◆zEntDqWLlc[sage saga]
2010/07/26(月) 01:59:51.24 ID:46.faFwo



 ドアを抜け、人が5人は通れそうな暗い通路を歩いてたどり着いた室内は、薄闇に包まれていた。

 埃と淀んだ空気に満ちた部屋に入った足音は、ふたつ。

 片方は薄闇の中でなお美しいオッドアイを持つ、蒼星石。

 もう片方は陰鬱な雰囲気とは相反するような、明るい白と青のセーラー服だ。

 学生用というよりも船員に近いその服をまとった少女は、ほとんど調度品のない部屋を横切り、窓際に置かれた椅子に腰掛けた。

「……間に合わない、わね」

 言いながら脚を組むセーラー服。ショートカットの前髪から覗く切れ長の目は、冷静なように見えて、悔しげな光を湛えている。

「何がですか?」

 セーラー服とか対照的に、ドアを入ったところで脚をとめた蒼星石が問うた。

「人形造りよ。どうやっても、やっぱり明日まではかかる。悔しいけれど今夜は予定通りに行くわ」

「……どういう意味ですか?」と、蒼星石。

 こたえは返ってきたが、内容のすべてが把握しきれない。

 人形造り、というところから考えて、あの『結界』で使うための人形を作っているようだが。

「……」

 二度目の質問に、セーラー服はこたえない。返答代わりに舌打ちをして脚を組み替えた。

 質問が煩わしいというよりも、返答内容自体が気に食わない、という感じである。



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