過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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33:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]
2010/03/20(土) 16:36:43.38 ID:2Z2/dwEo

 キリキリキリ・・・と軋むような音をたてて、ゼンマイがひとりでに動きはじめた。

「え・・・」

 上条の口から驚きの声が漏れる。

 反射的に右手を放すが、ひとりでにまかれていくゼンマイは止まらない。

 そして、呆然とする彼の目の前で、

「・・・・・・」

 ふわりっ、とさきほど鼻先を掠めた人形の髪のような軽やかさを持って、当の人形が空中に浮かび上がる。

「ちょっ、えっ、や、やっぱり魔術的なあれですか!?」

 無意識のうちに右手を胸元に引き寄せながら、左手で床を掻いて後ろにさがる上条。

 普通の人間なら、いや、この学園都市にひしめく能力者たちでも驚くような光景に、それでも素早く反応できるのは、いままでの経験ゆえか。

 驚きと、若干の警戒を宿した彼の視線の先で、人形が鞄の上、その空中に直立する。

 そのまま、まるで風になびくように、人形は鞄の上から床に水平移動。

 上条はそれを見守ることしかできない。


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