過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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330:上条と真紅 ◆zEntDqWLlc[sage saga]
2010/07/26(月) 02:10:43.32 ID:46.faFwo

 茶色のパンプス、白い靴下。細い脚と、チェック模様のスカート。ベージュのブレザーに、胸元には赤いリボン。



 御坂美琴の生き写しのような、寸分違わぬ人形が、そこに立っていた。



「……貴女が私の指示どおり御坂美琴の相手をすれば、蒼星石のローザミスティカを渡す。……不満はないでしょう?」

 御坂美琴の人形に視線を注ぎながら、セーラー服が言う。

「ふ、ん。指示どおりってところが気に入らないけれど、まぁいいわぁ」

「ええ、お願いね。……絶対に命の危険に晒さない。絶対に顔は傷をつけない。約束よ?」

「……わかってるわぁ」と、水銀燈。

 窓を挟み、なおかつ背中を向けた水銀燈からはセーラー服の表情は見えない。

 しかしセーラー服の声に含まれた一種異様な雰囲気に、不快げに表情を歪めるのを止められなかった。

「……」

「……」

 水銀燈は気がつかない。

 背を向けている上、セーラー服の心酔するものなどに興味がなかったから。

 セーラー服は気がつかない。

 彼女の世界の中心にいる存在を模した人形へ、理想を投影することに夢中だったから。

 薄暗闇の中に立つ御坂美琴の人形。

 動くはずのないその人形の、左手。

 提げられた手提げ鞄に髪の毛が――――少し焼け焦げたブロンドの髪の毛が一筋、確かに絡んでいた。



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