過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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342:上条と真紅 ◆zEntDqWLlc[sage saga]
2010/07/26(月) 02:27:43.78 ID:46.faFwo



「流石ねぇ、いまのを避けるなんて。褒めてあげてもいいわぁ」

 

 そしてその予想を肯定するように、透き通るような女の声が響いた。

 長剣の落下軌道の大元。

 美琴のほぼ真上からだ。

「……何よアンタ」

 美琴が怒りまじりの視線を、上向けた。

 そこには、薄い雲ごしの月明かりを受けた、大きな翼のシルエットが浮かび上がっていた。

 シルエットは優雅に一礼。長い銀髪がゆらりと動く様は美しかったが、それは完全に侮蔑と余裕のこもった、揶揄の一礼だ。

 形式だけの礼をこなし、シルエット――――水銀燈が、ゆっくりと顔を上げる。

「はじめまして、超電磁砲。私の名前は水銀燈。ローゼンが創りし、誇り高き薔薇乙女の第1ドールよ」

 水銀燈は大きく翼をはためかせ、無数の羽を撒き散らした。それらは重力に囚われることなく、水銀燈を護るかのように、渦を巻いて滞空する。

「本当は貴女のことなんかどうでもいいんだけれど……でもわたしの目的のために、ジャンクになってもらうわぁ」

 ゆっくりと水平に持ち上げられた水銀燈の左腕。そこに紫色の光球が、螺旋を描いて絡み付く。

「……」

 美琴は、水銀燈が何者なにかを問いもしない。

 何の能力なのか――人形を動かす能力なのか、幻覚を見せるものなのか、はたまた変身できるような能力なのか――考えない。

 だが相手の行動と、言葉。なによりこのタイミングで自分を『超電磁砲』と知って攻撃してくるという事実。

 一連の事件と関係がないわけがなかった。


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