過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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365:上条と真紅 ◆zEntDqWLlc[sage saga]
2010/09/20(月) 01:48:39.02 ID:GPMRrJUo




 朝。

 夏の名残だろうか、抜けるような青空に恵まれた連休の二日目である。

 多くの学生が夜通し遊んで沈没していたり、そうでなくとも惰眠を貪るであろう時間帯だがしかし、それらに反して、上条家の朝は早い。

 もちろん、その原因は言わずもがな。

 インデックスだ。

 シスターらしく朝が早いから…ではなく、彼女の朝のお祈りが終わるまでに朝食を用意しなければ上条の頭が頂かれてしまうから、である。

 どっちにしても目が覚めるなら、上条にしても痛くない方がいいに決まっていた。

「朝から不幸だ…」

 上条はベランダの掃出窓を前に、そう呟いた。

 右手でかじられた頭を撫でるが、幻想殺しといえども噛み付きによるダメージを消すことは不可能である。

 普段であれば自然に目が覚めるか、そうでなくても目覚まし時計で起床するのだが、全力疾走を繰り返した昨日は流石に疲れていたらしい。

 目覚まし時計という幻想を無意識の内に右手で破壊して寝こけていたところを、牙を向いたインデックス(スフィンクス同梱)に襲われたのだ。

「だ、大丈夫なの当麻。その…朝から激しかったみたいだけれど」

 上条の背後。

 初めて会ったときと同じように、ソファーで紅茶片手の真紅が、そんな風に問うた。

 彼女の表情は微妙に気まずそうなものであったが、背を向けている上条は気がつかない。

(ごめんなさい…私が止めていたら、もう少し傷は浅かったのかもしれないのだけれど…)

 上条の壮絶な悲鳴に驚いて飛び起きた後、『惨状』を一目見るなり鞄に逆戻りしたのは真紅だけの秘密であった。


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