過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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366:上条と真紅 ◆zEntDqWLlc[sage saga]
2010/09/20(月) 01:49:30.09 ID:GPMRrJUo


「あっはっは、いやいや。このくらいは慣れてますので、上条さんは大丈夫ですよ……ええ、慣れてますので」

 どこか乾いた笑いとともにパタパタと手を振る上条。本当にそう思っているというよりは、そう思うことで自分を納得させているような口調と仕草である。

「慣れている、の……」

 あれが日常なのだろうか。なんと恐ろしい。

 真紅が色々と含みある見る視線をインデックスに向けた。

「むーっ、とうま! それじゃ私がいつもいつも噛みついているみたいに聞こえるかも!」

 子供向けのテレビ番組から視線を離し、インデックスがそれこそ子供のように頬を膨らませる。

「お、おまえなぁ。腹が減ったら噛みつくわ、恥ずかしくなったら噛みつくわ、揚句に俺が入院したら噛みつくわ、これがいつもって言わなかったらなんて言うんだよ?」

「そ、それは、噛み付かれるようなことをするとうまが悪いんだよ!」

「どこがだこのバカ! いまの台詞の中で俺に非がある部分がどこにあるってんだ!?」

 上条の言葉に、インデックスは「うー」などと唸りながらもテレビの前から動こうとはしない。

 大覇星祭の一件で『噛み付き』という行為に新しい光明を得たようだが、照れに近いものもそれなりに得たらしい。

 もっとも真紅の方をちらちらと見ているあたり、上条相手に照れている、というよりは、真紅というお客様相手にそういうシーンを見せるのは控えたい、ということのようであったが。

「と、ところで、当麻はさっきから何をしているの?」と、真紅。

 後ろめたさもあって、なるべくその話題に触れたくない。

 何気なさを装った問い掛けにも、不自然さが否めないが、上条もインデックスもそれに気がつかなかったようだ。それくらい噛み付きが日常なのであろう。 

「え? いや、」上条は一度振り向いたあと、再び窓ガラスの方に向き直り、

「触っても大丈夫なのか、と思ってさ」

 と、言った。

 彼の右手は傷ひとつない窓ガラスに触れている。

 この窓ガラスは昨日水銀燈に砕き割られ、そして昨夜のうちに真紅の魔術によって修復されたものだ。

 その時は姫神と待ち合わせをしていたこともあって、特に確認していなかったのだが、下手をすれば上条が触れた瞬間にガラスが元の状態に戻る可能性だってあったのである。

 もっともそう思うなら、触るよりも先に確認すべきであるのだが、上条はそこまで思い当たっていない。


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