過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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395:上条と真紅 ◆zEntDqWLlc[sage saga]
2010/11/04(木) 00:47:34.43 ID:Pa4omRIo
「……」

 そのまま、数秒。

「…………」

 しかし結局、彼の親指がボタンを押すことはなかった。

 土御門を信頼していないわけではない。むしろ信頼し、親友だと思っている。

 だがだからこそ、上条は彼を巻き込みたくなかった。

 御使堕としや、使徒十字。

 これらの事件で、彼は重傷を負っている。それは闘いによる負傷というよりもむしろ、魔術使用によるものの方が大きい。そして彼は必要があるなら魔術を使うことを躊躇わない。

 いままでは、生き残った。 

 だが、これからは?

 アリスゲームは期間や終了条件が明確ではない。唯一明確な条件である『ローザミスティカを全て集める』ことは真紅自身が否定している。

 こんな状況に巻き込むわけにはいかなかった。

 上条は一度だけ首を横に振ってから、携帯をポケットに戻した。

 そして顔をあげ、姫神はまだかな、と視線を巡らせた彼が、 

「ん?」

 と言う表情になった。

 視線の先。

 こちらに向かって歩いてくる、見知った顔。

 相手側も同じタイミングで上条に気がついたらしく、えっ、という顔をしている。

 なんでこんなところに、と思う。

 彼女の住む学生寮は、ここからそこそこの距離があったはずだ。少なくとも散歩か何かで来るような距離ではない。

 見知った顔は茶色のショートカットで、学園都市でも至極有名な女子中学校の制服を着ていた。

「御坂? こんなところでなにしてんだよお前」

 対する美琴は、まずいところを見られてしまった、とでも言うような表情を無理矢理隠しながら、

「あ、アンタこそ、なんだってこんなところにいるのよ!」

 と、言った。


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