過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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527:上条と真紅 ◆zEntDqWLlc[sage saga]
2011/09/05(月) 00:49:30.21 ID:S80mhRzpo
(待、)

 『妹達』ではないのか。

 美琴に何をしたのか。

 今朝、美琴の肩に水銀燈の黒羽がひっかかっていたことと、何か関係があるのか。

 いくつもの疑問をこめ、上条が手を伸ばそうとするが、届くわけがなかった。

 一方、ベランダに出たセーラー服は、傍らに転がる水銀燈を一瞥。

 いまだ『魔滅の声』の影響下にある彼女に鼻を鳴らして嘲笑を浴びせる。

 協定は、あくまで共闘だけの話だ。危険を冒してまで水銀燈を助ける義理はない。

「……っ……っ……っ!」

 役立たず。

 そう語る視線に、水銀燈は鋭い視線を返すが、誇りある第一ドールである彼女は、それがゆえに動くことができない。

 左腕に蒼星石を抱えたセーラー服が、走る勢いそのままに、右手を添えてベランダを跳び越えた。

 上条の部屋は決して低い階層ではない。生身で落下すれば、運がよければ死なないかもしれない、という高さがある。

 自殺行為だ。

「ミコト!」

 跳び越えたセーラー服の身体が、重力に引き落とされるほんの一瞬前。

 上昇と下降のつり合った、浮かび上がった刹那の瞬間に身を捻り、セーラー服を追ってベランダに出たところの少女人形に右手を伸ばした。

 セーラー服の手首に、ゆるく巻かれたブレスレッド――鉄製の、ブレスレッドがゆれる。

 少女人形が、タン、とベランダを跳び越えた。

 続いてセーラー服に右掌を向け、能力を発動。

 『超電磁砲』にはまるで及ばない、しかし人一人を引っ張るには十分な電磁力が発生する。

 鉄製のブレスレッドに引っ張られ、セーラー服が空中で大きく体勢を崩す。しかし、問題ない。そもそもここから落下すれば、どう着地しようと無事では済まないのだ。

 彼我の質量差ゆえに、逆に少女人形が引っ張られる形でセーラー服の手を握った。

 後は電磁力をもって、落下の衝撃を逃がすのみ。そうすれば、肉体的には常人と変わらない上条たちに直ちに追う術はない。


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