過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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53:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]
2010/03/21(日) 15:39:14.25 ID:TgoUeT2o


 室内に撒き散らされたガラスが、幸いにも上条のいる位置までは飛び散ってこなかった。

 曲がりなりにも能力者を預かっている学園寮だ。何かの災害、もしくは能力の暴発で窓が割れることは想定されている。

 車のフロントガラスのように、多少の衝撃ではヒビが入るだけ。砕けても、ばらばらにあって周囲に飛び散らない材質のものが使われている。

 しかし、その代わりというかのように、飛び込んできたものがそこにいた。

 黒色のドレス、黒色のヘッドドレス、黒色の靴。そしてその背に生える黒色の翼。

 真紅の赤に対してなお、その身に纏った黒が映えるのは、その透き通るような見事な銀髪のせいだ。

 真紅と同じような小さな体、真紅と同じような白い肌、真紅と同じような、整った顔立ちのそのモノは、真紅とはまったく違う妖艶な微笑を口元に浮かべ、真紅が先ほどまで座っていたソファーの真上に浮翌遊していた。

「・・・水銀燈!」

 上条の腕の中で、赤が小さく、しかし鋭く囁いた。

 それに応ずるように、黒がその目を真紅に向ける。

「お久しぶりね、真紅」

 口元に浮かぶ妖しい笑みは変えないままに、艶味を帯びた声がリビングに響いた。


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