過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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54:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]
2010/03/21(日) 15:39:54.90 ID:TgoUeT2o

「な・・・」

 上条の口からあっけにとられたような声が漏れた。

 いきなりの窓の破壊。それと同時に飛び込んできた影。

 問答無用で、敵である。少なくとも上条には窓ガラスを突き破って訪問してくる知り合いはいない。

 約一名、ベランダにひっかかっていたという訪問者も過去にはいたが、その訪問者は不可抗力でひっかかっていただけで、今のように能動的な破壊を伴っていたわけではな
い。

 その敵と思しき相手が、真紅と見た目は親しげに挨拶を交わしている。上条が一瞬だけ戸惑うのも無理はない。

「・・・やっぱり、窓というのは不便なものだわ。こうして容易に侵入を許してしまう。英国で窓税があったのも頷けるのだわ」

 真紅が散らばる破片と、黒―――水銀燈とを交互に見ながら言った。

 その言葉はただの軽口なのだろうが、しかし、その内容とは裏腹に、口調には緊張感が満ちている。

「真紅、その男が新しい主人なのぉ? ・・・ふふ、相変わらず男が好きなのね。いやらしい」

 くすくすと笑うその仕草は真紅のそれに通ずるところを持ちながら、しかし、まったく異なった破滅的な色を帯びている。

「大きなお世話よ水銀燈。当麻は私のネジを巻いた。それ以上侮辱するなら、許さないわ」

 ぎゅっ、と上条のシャツを、その小さな手で握る真紅。

 それは不安に駆られた行動のようにも見え―――逆に、上条を少しでも守ろうとするような、そんな仕草にも見えた。


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