過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
1- 20
558:上条と真紅 ◆zEntDqWLlc[sage saga]
2011/12/03(土) 17:33:59.39 ID:Mpqpbi4Ho

 白井は遠隔地での単独任務が圧倒的に多いため、仕事帰りにこうして誰かと歩くこと自体が稀だった。

 初春を気遣っての発言だが、割と本気で思っていたことでもある。

「そうですか」

 初春が微苦笑。

 白井の言葉にこめられた思いに、幾分か心が軽くなったようである。

 それを見た白井も友人に向ける柔らかな微笑を浮かべた。

 十数秒間、アスファルトが鳴らした踵は、彼女たちの心持ちを現すように、どこか軽やかな響きを帯びていた。

 しかしその音も長くは続かない。

「……いつまで続くんでしょうかね、これ」

 初春の顔が再び曇り、踵が重くなる。

 電撃使い襲撃事件。

 今夜の調査は、ほぼ空振り。

 目撃情報で上がった『セーラー服の女』は、寮内外の防犯システムには映っていなかった。

 犯行時間帯の映像は今までと同様に砂嵐という有様で、入退寮を管理する各種セキュリティシステムも、稼動を妨害されている。

 初春も考えられるシステムチェックを施したが、判明したことは今までと同様に『犯人はなんらかの手段でシステムやカメラを撹乱している』ということだけだった。

 結局、有力と思われた目撃情報は裏付けが取れないために参考情報に格下げされてしまっている。これでは次の犠牲者が出るのを待つばかりだ。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
808Res/714.60 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice