過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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上条と真紅
◆zEntDqWLlc
[sage saga]
2012/01/09(月) 20:08:48.55 ID:HxMoiHH+o
バラバラと手に纏わり付く携帯の残骸を振り落としながら、白井は初春に言った。
「携帯は駄目ですのよ!」
「で、でもそれじゃあ位置が……!」
内勤専門で空間系能力者でもない初春に、頭の中の地図で対処しろ、というのは酷な話だ。
だから白井は位置把握を諦めた。
初春を責める気持ちはまったくない。白井とて、いまこの場でハッキングしろと言われても不可能なことと同じなのだから。
(ならばいまは逃げるだけですの……!)
大通りに出られるか、あるいは、もう少し明るいところに出られれば、状況も好転する。
そう判断し、白井は彼我の距離を確認するため、背後を振り返った。
そこには追い掛けてくるオッドアイが――
(!?)
白井が目を見開く。
オッドアイは、追い掛けてはきていなかった。
いや正確には、追い掛けようとして、失敗していた。
さきほど弾いた鋏。壁に突き刺さったそれを、駆けながら引き抜こうとして、抜け切らずに後ろに引っ張られ、たたらを踏んでいた。
それでもオッドアイはなんとか引き抜くことには成功したようだ。多少のけ反っただけで、すぐに追跡を再開する。
コントのような、テレビで見れば思わず笑ってしまいそうな光景。
しかし白井の頭脳は、回転を始めた。
(……一息に引き抜けない、ということは)
狭い路地を苦にしない。小さな体躯。
僅かな力で白井の身長以上に達する跳躍力。
何より、ビルの屋上から飛び降りたとしか思えないような、最初の一撃。
「……」
駆け続けながら、白井の表情が変化した。
それは世界において、決意という意味を顕したもの。
「し、白井さん?」
突然無言になった白井に、不安そうな声をかける初春。
白井は、あまりにも光源が少なく、この距離でしか顔が見えない仲間をさらに抱き寄せた。
その耳元に、唇を寄せる。
「……初春、反撃しますわよ」
と、白井は言った。
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