過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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653:上条と真紅 ◆zEntDqWLlc[sage saga]
2012/09/15(土) 01:51:41.07 ID:FsTN+OYbo

「私は、忘れていたのだわ。忘れているのだわ」

 真紅の口調はまるで、罪を告白する咎人の様。

「いまもまだ、思い出していないことがある」

 それは何も雛苺のことだけを告げているのではなかった。

 ジュンと共に在ったこと。

 雛苺や翠星石と、そしてきっと他の薔薇乙女とも結んでいただろう日々。

 自分なりのやり方を、その先に見ていた日々を、ほんの一部でも創り出せていたはずの記憶。

 それをなぜ覚えていないのか。

 なぜ忘れてしまったのか。

 なぜ失ってしまったのか。

 なぜ、思い出せないのか。



 ……あの時の想いは、その程度でしかなかったのだろうか。



 口が止まらなかった。

 堰を切ったように哀しさと罪悪感が湧きあがり続ける。

 昨日から自分の中で誤魔化し続けていたナニカが、不意に形となって自分自身を苛んでいた。


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