過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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712:上条と真紅 ◆zEntDqWLlc[sage saga]
2013/02/10(日) 00:00:03.35 ID:Pi1WW8jxo

 セーラー服は壇上を飛び降り、そのまま階段状の椅子の列を駆け上がる。

「くっ、こ、このぉ、ですぅ……!」

 翠星石が頭を抑えながら、近づいてくるセーラー服を睨みつけた。しかし身体が思うように動かない。

 不正な命令に対する拒否と強制力が鬩ぎあっているのだ。

「立ちなさい蒼星石! 逃げるわよ! 夢の扉を開きなさい!」

 切迫したセーラー服の言葉。

「……」

 蒼星石が身を起こし、鋏を構えなおした。

「だ、だめです蒼星石っ、悪いやつのっ、言うことを聞いちゃ……っ」

「……」

 泣きそうな顔で見つめてくる翠星石にちらりと視線を向けるが、何も言わないまま大きく鋏を振り上げる。

「くっ……!」

 唇を噛む姫神。

 おそらく鋏で自分を打ち据え、意識を失わせて夢の扉を開こうというのだろう。

 必死に腕に、そして脚に力をこめる。だがその程度で魔術の植物を引きちぎることはできなかった。

(私のせいで。逃げられる……!)

 結局、助けに来て脚を引っ張るしかないのだ、自分は。

 それが悔しくて堪らない。

「……」

 そして、蒼星石が一息に鋏を振り下ろし――


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