過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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775:上条と真紅 ◆zEntDqWLlc[sage saga]
2013/06/04(火) 20:15:25.53 ID:pKbsmVrKo
「……」真紅訝しげな表情で一瞬だけ沈黙。だがすぐに、「……なぜ、トドメを刺さなかったの?」と、続けた。

「あの状況下では、私が敗北する畏れがあった。私のオリジナルは、彼らを、三沢塾で、ギリギリまで追い詰めた、その後に敗れたのでな」

「どういうこと?」

「厳然。私が使用した『結界』には、同一条件下において過去に起こった結果に状況を『なぞらえ』る機能がある」

 人は、不明という状況より、結果のわかっていることを望む傾向が強い。

 ローゼンの見出だした、人の精神に干渉する世界である『nのフィールド』。

 オリジナルのアウレオルスが実現させた、人の思考を現実化する『黄金錬成』。

 そして世界の法則である『偶像の理論』。

 それら複合である『結界』は、内部の状況を「過去に起こった状況」や「伝説・伝承・逸話」へなぞらえる力がある――乱暴に言えば、状況そのものに『偶像の理論』を適用させる術式である。

 だが、それにも弱点があった。

 口元に苦笑を浮かべるアウレオルス。

「先程は、過去にオリジナルが敗北した状況に酷似していた。あのまま戦えば、こちらの勝ち目は薄い」

 つい先程アウレオルスが上条たちを追い詰めながら決着を避けたのはそのせいである。



 三沢塾において、幻想殺しが傷つき、吸血殺しが倒れ、禁書目録が無力化され、白井という治安維持のエージェントが動けない。



 それは勝利が目前であると同時に、逆に敗北条件が整いつつあったと言っていい。


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