過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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91:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]
2010/03/21(日) 16:50:42.19 ID:TgoUeT2o

 そんな八方塞の彼を助けたのは、

「当麻、少し落ち着くのだわ」

 上条の耳に、静かな声が響く。

 真紅だ。

 魔術師が水銀燈と関係がない―――つまり、真紅も結界適用範囲外であることを指摘したのは、結界がどういうものなのかを把握していない真紅の方だった。

 エレベーターが危険なのは三沢塾で知っていたので、彼女の手で非常階段の扉ドアノブを開けてもらったのである。

 人の多さに危険を感じたことと、左腕に座る真紅の存在が異様に目立つこともあって、裏路地に入ったのは正解だった。学生寮からの全力疾走は止まることなく続いていた。

 そんな上条の左腕に腰掛けて首に手を回した姿勢の彼女が、彼の顔をじっと見ている。

「落ち着いてなんかいられるか! こうしてる間にも、あいつらがやべぇかもしれねーんだ!」

 全力疾走で荒れた息そのままで言い返す上条。

 インデックス、姫神、小萌。

 自分が大事だと思う人が危険に晒されているかもしれない。

 そう思うと―――八つ当たりだとはわかっているが―――冷静そのものの真紅の声が苛立ちを生んでしまう。

 だが怒鳴り返された真紅は、

「落ち着きなさい、と言っているの」

「っ!?」

 同じ言葉を繰り返し、上条の耳を右手で引っ張った。


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