過去ログ - 智「さあ、おとぎ話をはじめよう」
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995:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/10/03(月) 01:19:28.54 ID:yJdPesPho
 ――僕に、もう未来は見えはしない。選択肢なんてもっての外だ。
 だから、僕は。
 ただ、僕の思うがままに動く。


智「僕は――――!」

 瞬間。
 今日のために仕掛けておいたチャイムが、僕の声量を上書きするように盛大に鳴り響く。
 ――ジャスト七時!
 僕は慌てて近くに置いてあった、ジュースを注いであるコップを手に取り、高く振り上げた。

智「今日は集まってくれた皆に感謝する!ここまで辿りついたことに、辿りつけたことに、ここまで支えてくれた全ての人に感謝する!」

 ――ここにいない人たちにも。
 あやめ先生、小夜里さん、いずるさん、蘭ちゃん、任甫さん、専務さん。
 夜子、我斎、ロンド、副島さん、奈々世さん。

 ――無論、ここにいる人達も。
 佐知子さん、浜江さん。
 伊沢、春さん、紅緒、カゴメさん、瑞和。
 宮和、央輝、伊代、こより、花鶏、るい。
 芳守、アヤヤ、惠、繰莉ちゃん。
 茜子、真雪。

 これまで会えた皆に感謝を。
 そして、これから会う支えてくれる誰かにも、感謝を。

 茜子と真雪は破顔していた。
 呆れのような、笑いのような、そんななんともつかない表情。
 それでも、悪い気はしていない気がする。

 他の皆も同様に。
 ただ、僕のその合図を待っている。

 そして僕は、声高々に告げた。
 今までの、これからの感謝を込めて。

智「――乾杯!」

 ――――乾杯!!


 それは、田松市の外れにある大きなお屋敷で。
 満月の見守る十五夜に、遙か彼方まで響き渡った――――


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