125:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/01/26(水) 22:42:40.32 ID:I8qI0aago
まるで子供騙しなお話のヒーロー。
お陰でそれは悲劇じゃなくなってしまった。主人公は私じゃなくてアイツ。
それにご都合主義ならアイツの方が何枚も上手だった。なんたって文字通りの最強を素手で殴り飛ばしてしまったのだから。
アイツのお陰で私の晴れ舞台はぶち壊し。主役の座まで持っていかれてしまった。
それについては今となってとやかく言うつもりはない。
だって冷静に考えてみればどう考えたってバカは私だし。
ま、何が言いたいかっていうとですね。
あんなかっこいいヒーローに、ヒロインが恋に落ちないはずがないのよ。
本当にベタな展開。王道パターン。
ありきたりすぎてもはや当然。常識。公式でもいい。
でも私は――それでいいと思うんだ。
どんなに下らなくても。
どんなに不格好でも。
面白くも何ともなくても。
私はアイツが好きだから。
その一言以外に重要なものはない。
超能力だとか、名門お嬢様学校だとか。そんなラベルは関係ない。
アイツはそんなもの気にしないし、何よりそんな下らないものはこの場において必要ない。
虚勢も虚栄もアイツの前では必要ない。この瞬間になって初めて私はその事を悟った。
そう。何も難しい事を考えず、素直にいればいいのだ。
でも、最後の最後にもう一回だけ。本音を隠させて。
「――勝負よっ!」
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