266:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/02(水) 22:18:15.28 ID:v39FFWdbo
「だからさ、言ってるじゃねぇか」
ぎくり、と体が軋む。
まるでこちらの思考を読んでいるかのようなそのタイミングに麦野はうろたえずにはいられなかった。
対し垣根は麦野の様子など気にする風もなくタバコを吹かせている。
その様子はまるで最初から麦野の返事など考えていないか。
それとも彼は最初から麦野の思考も予測していたようで。
「俺は別にオマエとドンパチやろうなんざ思ってねぇって」
確かにこれでは抵抗すら許されない。
麦野には従順に首肯する事しか許されていない。
逃げ道など元より存在せず、出会った瞬間、いやもっと前から勝敗は決していた。
最初から詰まされていた――!
全て彼の手の上で踊らされていただけ。
それも当然。最初から最後まで残らず分かった上で相手を嘲り戯れる。悪魔とはそういう存在だ。
打つ手なし。投了する以外に選択肢は存在しない。
だからせめて麦野は持ち時間を最大限消費する事だけを考えて手を止めるしかないのだが。
かといって帰ってくるのは勝利宣言以外の何物でもないのだが。
751Res/479.61 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。