過去ログ - 御坂「名前を呼んで
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363:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/21(月) 00:54:55.17 ID:eRi0rbRXo
『それで『スクール』はどうするんです? まさかこのままほっとく訳じゃないでしょう? 命令違反だとか言われるのは嫌ですからね』

スピーカー越しの馬場の問いも当然だろう。
彼ら『メンバー』の仕事は、『ピンセット』を奪取しようとしている垣根と『スクール』の暴走を止める事だ。
正面からぶつかっても敵わない事は目に見えているが、牽制して垣根を抑止する必要がある。
だから最低限、垣根や『スクール』に対して警告なりのポーズを示しておかなければいけない。
そうでなければ命令違反のペナルティを頂戴してしまう。それだけは何としても避けなければならない。

結局のところ彼らはこんなところでいたいけな少女を追い掛け回している余裕などないのだ。

だが博士は、微塵も焦燥など見せず落ち着いた風に頷く。

「君は心配性だな。大丈夫だ、問題ない」

『というと?』

「査楽が単独で垣根と交戦するように仕向けてある。まず間違いなく死ぬだろう」

『はっきり言うなあ……』

博士の言葉は少なくとも名目上は仲間であるはずの人物を捨て駒に使うというものだった。

だが馬場もまた、正直なところ査楽などどうでもいい。
彼もまた博士と同じように、他人というものに全くと言っていいほど執着しない性質だった。
そもそも彼は博士の弟子のようなものだ。機械工学に長けるのもそうした理由があった。

「査楽を捨石に心理掌握を手に入れる。『ピンセット』などというおもちゃには興味はない」

『作りましょうか? 仕組みはなんとなく想像つきますし。問題は部品の調達ですがね』

さらりと言ってのける馬場に博士は顔を喜悦に歪める。

「ふむ……垣根帝督の『未元物質』にも興味はある。機会があれば用意しておいてくれ」

『りょーかいっす』

声を聞く限りではあるが馬場もまんざらではなさそうだった。
この手の畑の住人は大抵、結果ではなく過程こそが楽しくて仕方ないのだ。


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