過去ログ - 御坂「名前を呼んで
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410:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/10(木) 02:05:44.18 ID:BKb66g/qo
階段を下り、こちらに向かってくる二人を手の仕草だけで制し、浜面は壁に張り付くように身を屈めた。

意識の先には階段ホールの先、『B5』と書かれた廊下がある。
いくら人気がないとはいえ大手を振って歩くなど愚の骨頂だ。

施設を完全に制圧したわけではない。
力押しがまかり通るほどこの施設は狭小ではないし、無意味に騒ぎ立てるほど馬鹿でもない。
無意味な戦闘は避けるべきだ。少なくとも浜面は重火器で武装した相手に真正面から立ち向かえるような力を持っていない。

ポケットから取り出したのはツールナイフ――十得ナイフと言った方が分かりやすいだろうか。
折りたたみ式の、缶切りやドライバーが詰め込まれたレジャー用品店などで見かけるあれだ。
学園都市製のそれは普通のものとは違うツールも組み込まれてはいるが、今必要なものは違う。

ぐいっ、と引き出したのはナイフだ。
刃渡りは六センチほど。合金製の刃は綺麗に磨かれていて、まるで鏡面のように傷一つない。

それを浜面は曲がり角に身を隠したまま、少しだけ廊下へと突き出した。

ナイフと一概に言っても用途は刃物としてだけではない。
この場合ツールナイフの持つ数多の用途の一つとして、鏡として使う事も念頭に入れられているのだ。

「……」

床近く、目立たぬようにナイフを動か。
何分刃は小さい。だから浜面は少しずつ角度を調整しながら廊下の状況を確認し――。


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