471:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/18(金) 22:51:10.89 ID:pN86/G7wo
滝壺は続ける。
「はまづらがいればきっと大丈夫だから」
そこにどれだけの思いが込められていただろう。
一介の、いや、一芥の無能力者でしかない浜面に対し彼女は「大丈夫」と言った。
滝壺一人では無理だけれど、浜面がいれば。
この場においてそれは雑兵に対するものではない。
彼女らと同じく、戦場の英雄へと掛けられる言葉だ。
滝壺の瞳に映るのは単なる消耗品の無能力者などではなく。
紛れもなく浜面仕上という名の少年だった。
「――滝壺」
そしてその言葉の重みが分からないほど浜面は無能でも朴念仁でもなかった。
彼は薄く、優しく笑い、彼女の腰に回す腕に僅かに力を入れる。
まるで抱き締めるように。
大丈夫だ、と。彼女の言葉に応えるように。
「オーケー、任せとけ。確かに俺も一人じゃ心細かったんだ」
茶化すように肩を竦め浜面が言い。
「じゃ、超そういう事で」
絹旗が頷くと同時。
大きな破裂音と共に黒夜が高速で絹旗に迫り右手を振り上げた。
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