472:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/18(金) 23:00:34.73 ID:pN86/G7wo
まるでトラック同士が正面衝突したような轟音。
それを間近で食らった浜面の鼓膜は許容量異常の振動に軋み激痛の叫びを上げた。
黒夜の放った無色透明の一撃を真正面から受け止め絹旗は僅かに後ずさったが。
「『窒素爆槍』……私とは同系列別ベクトル、攻撃に特化した能力。
作用点が両手のみに超限定されますが、窒素に絶対的な指向性を持たせ鋼鉄をも貫く槍とする――黒夜、あなたも相変わらずですね」
それだけだ。見えない槍を掴むかのように両手で虚空を握り締め――否、まさに見えない虚空でできた槍を掴んでいるのだ――絹旗は黒夜を見遣る。
「相変わらず――超攻撃特化のクセに私の『窒素装甲』すらまともに貫けないンですかァ?」
その両眼がどろりと濁ったと同時、絹旗の放つ雰囲気が一変する。
「ぐっ……!?」
まるでコールタールのような黒い重圧を持った気配。
殺気というには生易しい、それこそ負の臭いを極限まで凝縮したような圧倒的で禍々しい腐臭。
大量殺戮兵器や処刑・拷問器具の類、死を撒き散らす事しか能のない器物が持つ重圧感。
今まで纏っていた少女特有の微かに甘いような気配が吹き飛び、それがまるで拘束具であったかのように彼女の内から濃密な『死』の臭いが爆ぜるように噴出した。
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