583:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/04/19(火) 06:59:03.87 ID:Rmhix0EDo
二人は常に五分。
まるで鏡合わせ。いや天秤か。
先程攻撃してきたのが黒夜ならば、それを防御したのも絹旗だ。
お互いは常に拮抗しあっている。
その均衡が崩れる時があるならば――。
ふっ、と。唐突に。
あれほど自己主張していた音が消え去った。
「――――!」
「――――!」
瞬時に立ち眩みのような感覚を伴いながら思考と演算領域が回復する。
それは酩酊に近い。けれど過つような軟い『自分だけの現実』を持ってはいない。
同時に行動を起こせるとすればイニシアチブは攻撃に特化した黒夜にこそある。
絶好の機会。しかし黒夜は即座に動こうとはしなかった。
……いや、そうは見えないだけで動いている。
ただ絹旗はそれに気付かない。
黒夜の攻撃がないのだとすれば絹旗にとっては好機でしかないはずのその瞬間。
絹旗はほんの少しだけ、なけなしの思考を他に向けてしまった。
数分の一秒にも満たないほどの時間、注意が逸れる。
この音が消えたという事は――。
(浜面――――!)
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