過去ログ - 御坂「名前を呼んで
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84:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/01/19(水) 18:26:36.83 ID:Z9/RKEgRo
恋に恋する事なんてなかったけれど、私だって女の子だ。恋愛劇が嫌いなはずもない。
周りからは似合わないと言われるけれどコンビニで漫画雑誌を立ち読みしたりもする。
そういう少年少女向けの雑誌には大抵いくつか恋愛ものが連載されているのだ。
だって私くらいの年齢はどうしたってそういう話が好きなのだから。

しかし創作と現実の間には大きな差がある。
百聞は一見に如かず。どれだけ上手く説明したって体験には遠くおよばない。それが心の機微ならなおさらだ。
感情なんてどれだけ説明したって分からない。だから私はこの感情の名前が恋だとついぞ気が付かなかったのだ。

けれど今は違う。

私はすでに悟ってしまった。自覚したその感情に混乱したりはしなかった。
だってそれは今まで散々やってきたのだ。今さら騒ぐ必要もないだろう。むしろ安心したといってもいいくらいだ。

待ってる間ずっと落ち着かなかったのも。遅刻に腹を立てたのも。顔を見て嬉しかったのも。
照れた顔が意外に可愛いと感じたのも。手を繋ぎたいと思ったのも。それを恥ずかしいと思ったのも。

全部一つの想いのせいだった。

好きだから。

愛しいから。

触れたい。知りたい。声が聞きたい。笑顔を見たい。そんな欲求が清水のように湧き出てくる。
暴力的な衝動じゃない。優しく暖かい気持ちだ。
私の心はさっきまであんなに暴れていたのに、今は気味が悪いほど静かだ。なのに以前にも増して強い感情を抱いていた。


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