86:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/01/19(水) 18:30:01.11 ID:Z9/RKEgRo
「……あ」
そのアイツの横顔のむこう、いい物を見つけた。
私はここぞとばかりにアイツの手を取って、有無を言わさず引っ張った。
「ほら、あそこ!」
突然の事に戸惑うようなアイツの顔。
私は構わず振り返った格好のまま前方を指差してみせた。
「クレープ、あそこ美味しいんだ」
私の示す先には見覚えのあるピンクのケータリングカー。何度か友達と一緒に食べた事があるクレープの移動販売車だ。
珍しい事に今日はいつもと違う場所にいた。そういえばここでもストラップを貰ったっけ。
引っ張られるアイツはあまり乗り気ではないらしい。少し嫌そうな顔をして。
「オマエ、さっき昼飯食っただろ」
それとこれとは別だ。
確かに昼食は食べたけれどいくらか時間も経っているし、結構歩いた。何よりよく言うあれだ。
「ほら、甘いものは別腹って」
「……太るぞ」
ぼそっと呟かれた言葉を私は聞き逃さない。
美しい弧を描いて私の脚はまるで踊るように旋回しバカの太ももに叩き込まれた。
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