34:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]
2011/01/08(土) 21:00:41.87 ID:JeVAPgDO
『とうま!!』
「……ぉ、おう。どうした?」
更に怒鳴り付けるように響いた声に何とか返事をする事が出来た。
『さっきから呼んでたのに無視ってひどいかも!』
「はは、悪い。ちょっと逆上せたみたいだ」
はっきりとしてきた自身の呂律に安堵し、詫びを入れた。
『むー、しっかりするんだよ!湯加減はどう?』
「おー、よかったぞ。もう上がるから」
『わ、分かったんだよ』
何故か焦ったような口調の後に聞こえるトテトテという走る音。その位置から察するに相当近いところまで来てたんだなと上条は苦笑いをした。
「(何とか、誤魔化せたか……)」
インデックスに知られなくてよかった。知られたら知られたできっと悲しい顔をするのだろう。
上条は人が泣いたり、悲しんだりするのを嫌う。困ってる人がいれば全力で助け、泣いてる人がいれば全力で守る。
そんな彼だからこそ、皆が笑顔でいられる事、皆が幸せでいられる事が何より大事であって。自分の痛みなど、いくらでも隠してしまう。
「(薬、飲み忘れたからな。飲んどきゃ何とかなるだろ)」
うし、と声を出しバスルームのドアを開けた。
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