55: ◆LKuWwCMpeE[sage]
2011/01/09(日) 00:47:58.15 ID:jfkMHoDO
「(……あ!あの後ろ姿は!)」
後ろからでも分かるあのツンツンヘア。昨日は会えなかったし思いきって抱きt…タックルしてやろうかしら、なんて頭に思い浮かべて少し歩くスピードを上げる。
彼に近づく度にその顔の赤みは増していき。
「(え、ええいっ、ままよっ///)」
そのまま走り飛び付いてやろうと思った時、彼の声が聞こえた。
「えぇ、まぁ。……はい、分かりました……」
「(……電話してる)」
よく見れば彼は見た事のある携帯を耳に当て、誰かと話をしているようだった。
「(誰と話してるんだろ)」
相手側が誰なのかとても気になる。こんな朝から話す相手は誰なのだろうか。……もしかして。
「(お、女の子におはようコール、とか)」
美琴にとって嫌な予感が広がる。目の前のコイツは……果てしなく、モテる。あの大星覇祭の時も、胸のでかい同級生がついてたし、常磐台の方でも話題に上がってたし……。いまだ現在進行形できっと増え続けているライバル達に戦慄を覚えながらも負けないと覚悟を決めていて。
「はぁ、ですから明日は行きますって」
そこで再び美琴は上条の声に耳を傾けた。
「(あれ、何か様子がおかしいわね)」
どんどん落ち込んでいくように聞こえる彼の声のトーン。すけすけみるみるは勘弁をーなんて叫んだかと思えば補習がどうのこうの。
「(……恐らく、先生ね)」
内心ホッと、いや周りから見ても安堵したような彼女の様子だった。
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