801: ◆LKuWwCMpeE[sage]
2011/02/07(月) 23:58:27.45 ID:3y0709oDO
「何でだ!?」
「あァ?」
「何でまた実験しようと思いやがったんだよ!?」
「…………。力の為だ」
上条の問いに、一方通行は一瞬言い淀む。
元より嘘なのだ、そんなに答えは用意してはいない。
しかし、『力の為』。
何となしに答えたその言葉は、嘘ではないのかも知れない。
誰かを、打ち止めを守る力が、もっと。
「んな自分勝手な理由でだと…………? ざけんな…………!」
一方通行の深い真意を知らない上条はただ激昂する。
一方通行も別に知ってもらう必要はないと感じているのか、気にした様子は無かった。
「あの部屋で打ち止めは…………打ち止めは楽しそうにあの人は、あの人はって話をしてたんだぞ…………!? てめぇを信じてたんだぞ!? それなのにてめぇは何も感じてなかったのかよ!?」
「………………」
知っている。
打ち止めがクソみたいな自分に信頼を寄せてくれているのだろうと言う事は、肌で感じている。
こんな悪党でしかない自分に向き合い、笑顔を見せて。
自分も打ち止めが将来を誓える相手が現れるまで、いや現れても守っていくつもりだった。
何も感じない筈は、無い。
だが。
「その言葉、そっくりテメェに返すぜ」
「…………何?」
上条の顔が歪んだ。
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