過去ログ - 魔王「武器を下ろせ。お前と戦う気はない」その2
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◆JbHnh76luM
[sage saga]
2011/05/24(火) 08:22:46.01 ID:STjpkafoo
女神官「それで、メイドさんからの言付けというのは?」
侍「先に一つばかり謝らせていただく。メイド殿からの言付けというのは嘘だ」ペコリ
女神官「あらら、では本当に私を口説くためとか……?」
侍「メイド殿を裏切るような真似は絶対にせぬよ。水竜殿に、誓っても良い」ジッ
女神官「……メイドさんってば喋っちゃったのね」ハァ
侍「彼女を責めないでやってくれ。拙者が聞き出してしまったのだ。申し訳ない」
女神官「責めるつもりなんてないわよ。メイドさんにはいつもお世話になってるんだからね。それで、何が聞きたいの?」
侍「聞きたいという事はない。ただ、拙者は嘘が苦手だから先に知っているという事をお伝えしておこうと思っただけだ」
女神官「あはは」ニコッ
侍「?」
女神官「侍さん、本当に律儀ね。皇国の人らしいわ」クスクス
侍「そう、かな?」
女神官「昔、勇者や魔王、メイドさんと一緒に皇国に行ったけど、みんな礼儀正しくて義理堅い人ばっかりだったのを思い出しちゃった」
侍「メイド殿もそうおっしゃっていたな。我々皇国人はそれが美徳と考えている」
女神官「侍さん、メイドさんをよろしくね? あの人はずーっと魔王の為に尽くして来た人だから自分の為の愉しみとか喜びってほとんど知らないんだと思うの。魔王の喜びが自分の喜びって言いきっちゃうくらいだし。だからさ、メイドさんに色々と人生の楽しみ方ってのを教えてあげて? 水竜からのお願い♪」ウィンク
侍「これは大層なお方からの願いだな。あいわかった。その頼みはこの侍が確かに承った。望むところだ」
女神官「それじゃ、私は一度勇者のトコに戻ってから夕方に合流するわね」
侍「承知した。勇者殿にもよろしくお伝えくだされ」
女神官「りょーかい♪ またあとでね」ニコッ
巽「で、だ。艮の奴、どんなだった? いや、別に気にしてるとかじゃないんだけどな」
鏑「どんな、とは?」ニコニコ
巽「ほら、元気そうだったとか元気がなかったとか……色々あるだろうがよ!」
鏑「あははははは。いや、失礼しました。お気を悪くなさらないでください。艮さんがおっしゃっていましたよ。プライドが高くて捻くれた兄だけど良い兄だって」
巽「……あの野郎」ハズカシイ
鏑「数少ないハーフだから小さい頃から色々と検査があって、巽さんが艮さんの代わりに全部引き受けようとなさってたそうですね」
巽「あいつは本当に人の嫌がる事を話すのが大好きだな……捻くれてんのはあいつのほうだろうがよ」プンスカ
鏑「仲の良いご兄弟じゃないですか。羨ましい限りですよ」
巽「ふん、でもまぁ、あいつも人の役に立ったって事か?」
鏑「助けていただきました。巽さん」
巽「あん?」
鏑「先日は失礼しました。私は騎士団を重んじるばかりに、仲間や世界という大事なものを見失うところでした」
巽「気にすんな。あんたの責任感の強さは嫌いじゃない。俺だって意固地になりすぎた。すまなかったな」
鏑「本当に艮さんのお陰ですよ」
巽「ま、役にたったならそれで良いさ。俺ぁこっちだからまたあとでな」
鏑「はい。また後ほどお会いしましょう」
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