過去ログ - 10666「これが超電磁砲……」2
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772:伊吹 ◆fJ3KTPFnIUC/[saga]
2012/02/26(日) 00:28:23.68 ID:OPnXd5xAO
――――人の身を超えた行いと、ただの人。

歩く足が重い。
粘りついた泥沼の中をあるいているような、纏わりつく空気。

胃袋の中で溶かされていく、そんな気分を――10666号は抱えていた。

掌握「紅い……」

10666「私もそう思うよ――ん」

ふと、目の前に不思議な老人を見つける。
水面の上で、安楽椅子に座っていた。

誰だ――?

老人「……やぁ、『可能性』。随分と遅かったようだが……なに、君は二番さ」

そのしゃがれた声には聞き覚えがある。
電話で聞いた、あの忌々しいソレだ。

10666「……てめぇ」

老人「どうした? 行きたまえよ。彼女はこの先さ」

10666号は一歩前に出る。それは意思だった。

10666「……聞かせろ。何で13510号を拐った……兵器が欲しければ、他にやりようもあったろう」

老人「……君も勘づいていると思うのだがね」

痛い所を突く。
これだから老人は困るのだ。
口をつぐむ。

老人「私たちの目的は『コレ』だ。この状況全てが、私の望みだよ」

老人「この『滅び』の具現こそが、ね」

――滅び。

この男、言うに事欠いて私たちの心を――そんなモノに例えるというのか。


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