過去ログ - 俺の妹が身長180cmなわけはない
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170: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga]
2011/01/28(金) 18:36:51.95 ID:vV91Zi7Ao
「しかし……テレビ局側もわざとへんてこな連中狙ってレポートしてやがるな。さっきからおかしな連中しか映ってねえじゃねえか」

さっきからテレビに映るやつらは、一様に何かのコスプレをしていたりしているやつらばかりだった。
……理由はわからないが、少しイライラとしてくる。
なんだろうなこの感じ。友達がさらし者にされてるみたいな……レポーターやコメンテーターの苦笑いや見下したような目つきがそうさせるのか。

少し前までの俺ならきっとこのレポーターと同じように苦笑いを浮かべていたに違いない。
なんだこいつら。こんなかっこして馬鹿じゃねえの――ってな。

「チッ……」

舌打ちをし、テレビのチャンネルを変えようとした時、俺の目にとんでもないもんが飛び込んできた。

「ちょ!? あいつらなにやってんの!?」

テレビの画面にはレポーターのインタビューを受ける沙織達の姿が写し出されていた。
桐乃が意気揚々とほこ天復活の嬉しさを語っていて、沙織もそれに続く。
黒猫は一際でかい沙織の陰に隠れ表に出てこようとしないが、毒を吐くのだけは忘れない。
まあ……テレビ局から見たら恰好のインタビュー相手だったんだろうな。
こてこてのオタクファッションに身を包んだ馬鹿でかい少女A、秋葉原とは一見縁遠そうに見えるオシャレな恰好をした少女B、そして、ゴスロリファッションに猫耳までついてる少女C。

「あ、あいつら……」

思わず顔が引きつる。公共の電波でなんて恥をさらしてるんだ。
でも、テレビの画面で嬉しそうにはしゃぐあいつらを見て、「ま、いいか」と思ってしまう。
こんな風に考えられるようになったのは、きっとあいつらの影響に違いなかった。
引きつった顔が次第に笑顔へと変わっていく。

「ふっ……悪くねえ」

誰に憚ることもない。決して自慢できるような趣味や恰好じゃないが、それでも。
あいつらの友情は憚らなきゃいけないようなもんじゃない。「どうだ、羨ましいだろ」胸を張ってそう自慢できる。そう思ったよ。
そして、気付けば俺はいつのまにか録画ボタンを押していたんだ。



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